藤駒湿原

神々の住む森

砂利だらけの走りにくい林道を2時間。ようやく白神山地の南東部、藤里駒ケ岳の麓に到着します。ここから山頂までさらに2時間歩くのですが、その途中にあるのが『藤駒湿原』です。ブナ林に囲まれ所々に高山植物の“お花畑”が点在する静かな湿原です。歩きやすいように木道が敷かれ自然研究路として実によく整備されています。しかし、このような誰もが自然に親しめるような形になるまでには長い時間がかかっています。昭和53年、林野庁は青森と秋田を結ぶ大規模林道の工事に着手しました。狙いは13万ヘクタールに及ぶ白神山地のブナ原生林伐採でした。そして工期を早めるため“押し出し工法”という驚くべき“荒技”を用いたのです。通常、山腹を削り取った土砂はダンプで埋立地までピストン輸送するのですが林野庁はこの時、土砂を運ばずに、そのまま谷に投げこんでしまったのです。このため夥しい量の土砂が谷を埋め、沢や川の状態が次々と破壊されていこました。動植物の生態系に膨大な影響を与えるこの工事に猛烈な反対運動がおきたのは当然のことでした。運動の輪は全国に広がり、ついに工事は中止。そして平成2年『森林生態系保護林』5年に『世界遺産』に登録され今のように整備されたのでした。山頂からの帰り、再び湿原を通ると、もう人影はなく、木道をとぼとぼ歩く私の影だけが長く尾を引いていました。

Googleマップ 秋田県山本郡藤里町太良鑛山

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藤里駒ヶ岳

神々の住む森 白神山地に入るには、青森側、秋田側と2つのルートがあります。私は秋田側の藤里町から黒石林道を経て藤里駒ケ岳へとはいってゆきました。13万ヘクタールに及ぶ広大な山地の南側にあたります。林道 ...

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