アガリコの森

神々の住む森

東北一の名山と言われる鳥海山(2236m)には奇妙な形をしたブナの巨木があります。人間の背丈くらいの高さに隆々とした“こぶ”ができ、そこから何本も枝が派生しています。一見、奇形とも見える、このブナ群は、この地方特有のもので『アガリコ』と呼ばれています。江戸時代の終わり頃よりこの地方では“炭焼”が盛んになり、その原料となったのが豊富にあるブナでした。彼達“山の民”は戦前くらいまで代々その生業を受継いできたのですが、その際、伝来の約束ごとがありました。そえは決して『ブナを殺すな』というものでした。そのため彼等はブナを伐るのに主幹を残し、さらに大枝の何本かを残したそうです。そうすると死ぬことなく行き続け伐った後の幹から新芽が出てくるのです。こうして時を経った姿が今の『アガリコ』なのです。こうしてみると今日の伐採方法とは雲泥の開きがあることが分かります。今はブルドーザーで林道を開きユンボやチェーンソー等の“大量破壊兵器”で根こそぎ完全伐採をし、その後、申し訳程度に植樹するのですから山が荒廃するのも無理ありません。それにしても『アガリコ』たちの生命力は驚嘆に値します。厳冬期10メートル近い積雪の中で新芽が必死に生きようとする姿がこの奇形になったのなら何と、神秘的で尊いことでしょう。

Googleマップ 秋田県由利郡象潟町横岡字中島台

 

(次)法内の八本杉

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(前)鶴間池

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